スイスに住んで20年になります。
いまだに何度乗っても「わあ、今日もきれい!」と声が出てしまう列車があります。
それが、スイスを代表する絶景列車――ベルニナ急行(Bernina Express)です。
真っ赤な車体がアルプスの雪山や青い湖のあいだを走り抜ける姿は、まさに絵本の世界。世界遺産にも登録されたこのルートは、スイスのクールから国境を越えてイタリアのティラーノまで、氷河や峠、渓谷を越えて進む、ヨーロッパ屈指の絶景鉄道です。
ただ、初めて乗る方からはよくこんな質問を聞きます。「どの席が一番きれいに見えるの?」「どの時期がベスト?」「予約って必要?」
この記事では、スイス在住20年・何度もベルニナ急行に乗ってきた私が、実際に体験して分かったおすすめの座席・時期・チケットの取り方、そして旅を快適にする準備のコツを、やさしく分かりやすくまとめました。
観光ガイドには載っていない現地ならではのヒントもたっぷり。読んだあとには、「ベルニナ急行、今すぐ乗ってみたい!」と思ってもらえるはずです。
さあ、一緒にアルプスを駆け抜ける旅へ出かけましょう🚂
ベルニナ急行とは?世界遺産を走る“アルプスの赤い列車”

ベルニナ急行は、スイスのクールから、国境を越えてイタリアのティラーノまで走る観光列車です。
“赤いボディで雪山を走る列車”と聞いたことがある人も多いかもしれません。
美しいのは車体だけではなく、車窓。
氷河、エメラルド色の湖、深い谷、石造りのアーチ橋、かわいい村の家々…。
まるで景色のテーマパークをゆっくり駆け抜けるようなルートで、世界遺産にも登録されています。
特に有名なのは、
✔ ランドヴァッサー橋(切り立った崖にかかる巨大な石橋)
✔ ラゴ・ビアンコ(雪山に溶け込む白い湖)
✔ ブルージオのループ橋(列車がぐるっと一周する名ポイント)
私が初めて乗った日は、景色が変わるたびに「見て見て!」と声を出してしまったほど。
20年経った今でも、季節が変わるたびに乗りたくなる列車です。
ベルニナ急行の予約方法とチケット購入のポイント
ベルニナ急行はどこで予約する?公式・駅・代理店の違い
ベルニナ急行は、パノラマ車両が全席指定なので、まずはチケットの予約が大事です。予約方法はいくつかありますが、それぞれにメリットがあるので、目的に合わせて選ぶと良いと思います。
予約方法は3つ。
1️⃣ 公式サイト(レーティッシュ鉄道)
一番確実で、空席状況もリアルタイムで見られます。
席の位置を選べることもあるので、景色を重視したい人には向いていると思います。
英語ですが、そんなに難しくありません。

2️⃣ 駅窓口(クール・サンモリッツなど)
直前でも空きがあれば購入できます。
ただ、夏休みなどは「満席なので明日以降なら…」と言われることもあるので、確実にその日に乗りたい人はやっぱり事前予約が安心です。
3️⃣ 旅行代理店や現地ツアーサイト
初めての人でも安心。日本語で手続きできて、パスやホテルとまとめて申し込めるので「全部まとめてお願いしたい」という人にはです。
特に海外旅行に慣れていない方だと、この方法が一番ストレスが少ないかもしれません。
季節によって混雑の傾向もかなり違います。
- 夏(6〜9月):ハイシーズンでとても人気。世界中から観光客が集まります。特に8月はヨーロッパのバカンスシーズンなので、早めの予約がおすすめです。
- 冬(12〜2月):雪の中を走る景色が好きな人も多く、クリスマス〜年末は意外と混雑します。
- 秋(9〜11月):個人的には「ちょうど良い時期」だと思っています。紅葉と山のコントラストが綺麗で、夏より空席が見つけやすいです。
「直前でも取れる時期は?」と聞かれることも多いのですが、経験上、10月〜11月、3月〜4月あたりは比較的予約が取りやすいように感じます。
朝早い便や平日だとさらに空きが見つかりやすいです。
また、少しだけ旅のコツをお伝えすると、晴れを狙うなら「午前発」の便が断然おすすめです。山の天気は変わりやすく、午後になると雲がかかりやすい日が多いんです。写真をきれいに撮りたい人や、青空の絶景を見たい人は、ぜひ午前便を選んでみてくださいね。
乗車区間については、ちょっと迷いますよね。
- クール〜ティラーノ:全区間。4時間半ほどの長旅で、変化の大きい景色を全部楽しめます。
- サンモリッツ〜ティラーノ:2時間ほどで、絶景ポイントがぎゅっと詰まっています。
「長時間の移動は少し不安…」「子どもと一緒」などの場合は、短い区間を選ぶ方が旅がラクだと思います。
一方で、鉄道が好きな方や、ゆっくりと車窓を眺めたい方は全区間がおすすめです。
私は何度も全区間を乗りましたが、景色が変わっていくのが楽しいので、時間は全く退屈しませんでした。
スイス・トラベルパス利用時の注意点と座席指定の仕組み
スイス旅行でよく使われる「スイス・トラベルパス」。
これを持っていれば、ベルニナ急行の乗車自体は無料です。ただし、これだけは注意してほしいポイントがあります。
✅ 座席指定(約28CHF)が別料金
ここを忘れてパスだけ見せても乗れません。
実際、駅の窓口で「パスを持っているのに乗れないの?」と困っている旅行者を何度か見たことがあります。窓口では「Seat reservation for Bernina Express, please.」と言えば、スムーズに案内してもらえます。
購入方法は3つ。
- 公式サイトでパス番号を入力して指定券を予約
- 駅窓口でパスを提示して席を確保
- 旅行代理店でまとめて手配
どれも難しくはありませんが、繁忙期はやはり早めが安心です。
直前でも当日券は買える?現地購入のコツと空席を狙う方法
「予約を忘れた」「予定を変えて急に乗りたくなった」
そんな時でも、空席さえあれば当日購入できます。
駅の窓口は基本的に英語で対応してもらえるので心配はいりません。
列に並んで「I’d like to reserve a seat for the Bernina Express today.」と伝えれば大丈夫です。
個人的な経験ですが、朝早い便は空席が残っていることが多い気がします。
そして午前中は天気が安定しやすいので、景色もきれいに見えます。
「とりあえず行ってみて、空いていれば乗ろう」という旅の仕方でも、意外と何とかなります。
空席確認は、駅の窓口や券売機の画面でもできますし、公式サイトで調べることもできます。もし満席だった場合も、普通列車で同じルートを走ることができるので、旅行が台無しになることはありません。普通列車も窓が開いたりして結構楽しいんです。
節約したい人のための激裏技
スイスの電車って高いんですよね…イタリアのティラーノからサンモリッツまでのルートで61フランもするんです。往復だと122フラン…高い!
お金に余裕のある方はもちろんガラス張りのパノラマカーの選択もいいのですが、「あまりお金に余裕ないけどどうしても乗りたいよ~」っていう人は、サンモリッツ-ティラーノ間の普通列車の切符を買うという選択肢も。ルートは全く一緒、ただガラス張りではない普通の電車になります。それでも窓は結構大きめで十分楽しむことができると思います。夏には列車の一番後ろにオープン車両?みたいなのがくっついていて、これ以上のパノラマカーはありません!

私が撮った写真なので分かりにくいとは思いますが…これだったら座席予約しなくてもいいし、写真もきれいに撮れますよね!!
季節ごとの魅力(春・夏・秋・冬で変わるベルニナ急行の絶景)
ベルニナ急行の面白いところは、季節によって景色がまったく違うことです。
同じルートなのに、「今日は別の場所に来た?」と思うほど景色の印象が変わります。私自身、仕事や家族旅行で何度も乗りましたが、どの季節にも良さがあって、一番を選ぶのは難しいです。
「いつ行くのが正解?」と迷っている方のために、季節ごとの雰囲気をまとめてみました。
春〜夏(5〜9月)|青い湖とアルプスらしい爽やかな景色

春から夏にかけては、ベルニナ急行が最も明るい景色を見せてくれる時期だと思います。
雪が解けて、氷河の水が流れ込み、湖がエメラルドブルーに見える日が多いんです!
太陽に光が当たると、本当に絵の具を溶かしたみたいに透き通った青になります。
この時期は日照時間が長いので、午後の便でも明るい景色を見やすいです。山の天気は変わりやすいですが、夏は「晴れたら最高」。特にラゴ・ビアンコや氷河が近づく瞬間は、車内でも自然に歓声があがります。
ただ、夏休み(7〜8月)は観光客がとても増えます。ヨーロッパのバカンス時期なので、座席指定は少し早めに取る必要があります。私は5〜6月に乗ることも多く、この時期は混雑が比較的落ち着いていて、のんびり景色を楽しめました。
秋(10〜11月)|黄金色の木々と赤い列車のコントラスト

秋は、個人的に「一番の穴場」だと思っています。
観光のピークが過ぎて落ち着くので、静かに景色を楽しみたい方にはぴったりです。
特に10月後半〜11月は、木々が一斉に黄色く色づきます。黄金色の森の中を、真っ赤なベルニナ急行が走っていく風景は、まるで絵葉書のようです。
スイスに住んで20年になりますが、この時期の景色は何度見ても飽きません。
また、秋は空気が澄んでいて、写真がくっきり写りやのも魅力の一つ。インスタやSNSに投稿したい人は、夏の華やかさとは違う「落ち着いた絶景」が撮れるかもしれません。
そしてもう一つの魅力は、比較的予約が取りやすいこと。「あ、明日乗ってみようかな」という旅行者でも、空席が見つかることがあります。ゆったり旅したい方には、かなりおすすめの季節です。
冬(12〜3月)|白銀の世界と静けさに包まれる絶景

冬のベルニナ急行は、まったく別の世界になります。
どこまでも続く雪原、真っ白に凍った湖、風の音さえ吸い込んでしまうような静けさ…。映画の舞台に入り込んだような景色で、車内の空気も自然と静かになるほどです。
特にラゴ・ビアンコ周辺は、青い夏とはまったく逆で、白いキャンバスの上を走るような感覚。雪が深い年だと、線路の外がすぐ雪の壁になっていたりします。
ただし、冬の光はとても強いので、サングラスが必要です。冬にサングラス?と思うかもしれませんが雪から反射される光は強烈です。日焼け止めクリームも塗りましょう。
よく聞かれる質問ですが、晴れやすいのは午前の便です。私も冬に写真を撮るときは、できれば朝の列車を選びます。午後になると山に雲がかかってしまうことが多いので、湖の輝きが少し控えめになる感じです。
ベルニナ急行に乗る時の持ち物・服装・注意点
「何を持って行けばいいの?」とよく聞かれます。
標高2,000mを超える山岳ルートを走るので、街中とは少し勝手が違うんですよね。
私自身、初めて乗ったときは大失敗しました。今回はその経験も交えてまとめてみました。
服装:夏でも上着は必須。冬は街より寒いです
ベルニナ急行は、最高地点2,253m(オスピツィオ・ベルニナ)を通ります。真夏のチューリッヒで半袖でも、山の上は肌寒いことが多いです。
- 夏(6〜9月)…半袖+薄手のカーディガン or ウインドブレーカー
- 秋(9〜11月)…長袖+厚手のパーカー
- 冬(12〜3月)…手袋・帽子・マフラーがあると安心
特に冬は、ティラーノ側に降りると一気に気温が上がるので、脱ぎ着しやすい服装が便利です。観光で少し外に出ると、手が冷たくなることも多いので、手袋はあった方が良いですよ。
持ち物:あると便利なもの
サングラス
雪がある季節は、光の反射が想像以上に強いです。目が疲れやすいので、あると快適です。
モバイルバッテリー
写真を撮ったり、Googleマップを見たり、意外と電池が減ります。
特にティラーノ到着後はイタリア側の散策が楽しいので、充電があると安心。
水と軽いおやつ
パノラマ車は飲食OK(匂いの強いものはNG)。子ども連れだと特に助かります。
スマホのネット通信(けっこう大事)
スマホのネット環境については、意外と盲点です。
山岳エリアではローミングが不安定だったり、速度が落ちることもあります。
実は、スイスに遊びに来た友人が GlocaleSim を使っていた時があって、
「空港でSIM売り場探さなくていいからめちゃくちゃラク」
「QRコード読み込むだけで使えた」
と、かなり助かったと言っていました。
ベルニナ急行は、
予約画面の提示、時刻表の確認、天気チェックなど、細かくネットを使う場面が出てくるので「ちゃんと繋がる」ことは、旅のストレスを減らしてくれる気がします。
ベルニナ急行の見どころと、実際に乗って感じたこと
ベルニナ急行は、どの季節に乗ってもきれいですが、ルートの途中には「あ、ここは別格だな」と思う景色がいくつかあります。
観光ガイドに載っている情報だけだと少し想像しにくいので、私が実際に乗ったときの感覚も交えながら紹介します。
ベルニナ急行はどちら側の座席が景色が良い?【結論:クール→ティラーノは右側】
ベルニナ急行に乗る時、意外と大事なのがどちら側の座席に座るかです。
これは検索でもよく聞かれる疑問で、私の周りの旅行者からも必ず質問されます。
結論から言うと…クール→ティラーノ方面に向かうときは右側が断然おすすめです。
理由はシンプルで、
✅ 有名なランドヴァッサー橋
✅ 氷河湖(ラゴ・ビアンコ)
✅ 石造りのループ橋(ブルージオ)
が全部、右側に現れることが多いからです。
逆方向(ティラーノ → クール)は右と左が逆になるので、覚えておくと便利です。
「座席はどうやって選ぶの?」という人のために、少し補足します。
- 指定券を予約する時に座席番号を確認
- 「A席・B席」などが通路側/窓側を表しています
- 車両の進行方向は、日により変わることもあるので、迷ったら駅で聞くのが安心
パノラマ車両は大きなガラス窓で景色がよく見えます。
ただ、ガラスに反射しやすいので、写真撮影を重視するなら、普通車両の窓を開けて撮るという選択肢もあります。
パノラマ車両は快適で観光向け、普通車両は「撮り鉄さん」向けという雰囲気です。
ベルニナ急行の見どころを駅ごとに紹介【ルートのハイライト】
ここでは、クール→ティラーノ方面の見どころを、順番に紹介します。
クール〜フィリスール:アルプスの村と谷を走る区間
出発してしばらくは、スイスらしい小さな村や、渓谷沿いのライン川が見えます。のどかな景色で、「旅が始まった」というワクワク感がある時間帯です。
晴れた日は、川の水がエメラルドグリーンに見えることがあります。
ランドヴァッサー橋:ベルニナ急行の象徴

この区間は特に楽しみにしている人が多いと思います。
高さ65mの石造アーチ橋を、列車がゆっくり走り抜けるシーンはまさに“ベルニナ急行のハイライト”。
上にある写真が撮りたい人は、Filisurという駅からミニ電車が出ています。(6月~10月中旬/夏は毎日、その他は週末のみ)歩いて行くこともできます。電車に乗っているとあんまりいい写真が取れなかったので、撮りに行ってきました。
オスピツィオ・ベルニナ〜ラゴ・ビアンコ:標高2253mの氷河湖

列車は徐々に標高を上げ、湖がだんだん近づいてきます。
このあたりになると車内のお客さんも一斉に窓側に注目するので、ちょっとした一体感が生まれる瞬間です。夏は青と白のコントラスト、冬は一面の銀世界。
季節で景色が全く変わるので、何度乗っても本当に飽きない景色です。
ベルニナ鉄道の最高地点にあるオスピツィオはホテルになっていて、併設されたレストランでは郷土料理が食べられます。(6月~11月)私はまだ泊ったことはありませんが、いつか泊ってみたいです。
アルプ・グリューム:断崖絶壁のレストラン

個人的にけっこうお気に入りの場所です。
山の斜面を走り抜けて、視界が急に開け、足元の方にティラーノの街が見える瞬間。
小さなレストラン兼展望台があり、降りて外に出ると、風の音と氷河のせせらぎが聞こえるほど静かです。
写真より動画をお勧めします。
ブルージオのループ橋:ぐるっと一周して下る石橋

たぶん、ベルニナ急行でいちばん「おおっ!」となる瞬間です。
石造りの橋の上を、列車がぐるっと円を描きながら、ゆっくりと下っていきます。
車内はほぼ100%の確率で歓声が上がります。子どもも大人もスマホを構えて、ちょっとしたイベントのような空気に。
私も初めて見たときは「遊園地のアトラクションみたい」と思いました。
外から撮ると一番迫力があるのですが、車内からでも十分楽しめます。撮影は右側がおすすめですが、普通列車なら窓を開けて撮影できるので、迫力が違います。カーブに入る前に構えておくと成功しやすいです。
ティラーノ:イタリアの街並みとカフェ文化
終着駅に着くと、一気にイタリアらしい雰囲気に変わります。
石畳の道、カフェのテラス席、ジェラート屋さん…。
「同じ列車で国境を越えたんだ」と実感できる瞬間で、私はここが好きです。パスタやピッツァもおいしく、昼食休憩にもぴったりです。
駅には日本語の看板もありました(笑)

ベルニナ急行のアクセス方法(主要都市からの行き方)
ベルニナ急行は、「クール」または「サンモリッツ」からスタートします。
どちらもスイス国内の電車でアクセスできますが、
旅行者の多くはチューリッヒからクールへ向かい、そこから乗車するルートが多いです。
スイスの鉄道は日本と同じ感覚で利用でき、改札もほぼありません。
大きな荷物を持っていても乗り換えはスムーズなので、旅行が初めての方でも不安は少ないと思います。
チューリッヒから(最も一般的)
チューリッヒ中央駅(Zürich HB)から、クール(Chur)まで電車で約1時間15分。
直通が多いので、乗り換えの心配がほとんどありません。
- チューリッヒ → クール → ベルニナ急行 という流れ
- 朝6〜8時台に出れば、日帰りが十分可能
- クール駅は小さいので、乗り換えも簡単
私は何度かこのルートで友人を案内しましたが、初めての方でも迷わず乗れていました。
ルツェルン・インターラーケンから
「ゴールデンパスライン」と組み合わせて観光する方も多いルートです。
- ルツェルン → クール(約2時間)
- インターラーケン → チューリッヒ → クール(約3時間)
どちらも時間は少しかかりますが、アルプス観光をぎゅっと詰め込みたい方には相性が良いです。ただし、冬季は日が短いので、余裕をもって早めの便に乗ると安心です。
ミラノ・イタリア側から
ベルニナ急行は国境を越えてイタリア・ティラーノまで行きます。
そのため、ミラノから日帰りする観光客もとても多いです。
- ミラノ → ティラーノ(電車で約2時間半)
- ティラーノからベルニナ急行に乗車
イタリア側から来るメリットは、ティラーノ発はクールやサンモリッツ初より座席が取りやすく、ミラノから朝出発して、夕方に戻れます。特に夏のハイシーズンは、スイス側より席が空いていることもあります。
スイス初心者に伝えたいアドバイス
✅大きな荷物は、宿泊先か駅のロッカーに預ける方が快適です。
ベルニナ急行の車内は荷物棚が小さめなので、スーツケースは邪魔になりがちです。
✅冬は乗り換え駅でホームが寒いこともあるので、厚手の上着を用意した方が安心。
特にクールやサンモリッツは標高が高く、風が冷たいです。
✅駅や車内でWi-Fiがないこともあるので、 eSIMを使っている人は快適そうでした。
友人が「Glocal eSIM」を使っていましたが、乗換検索や遅延確認がすぐできて便利そうでした。
旅行中って、こういう“小さなストレス”が減るだけで安心感が違いますよね。
ベルニナ急行の日帰りモデルプラン

「ベルニナ急行は日帰りできる?」→ できます。しかも意外と余裕があります。
ここでは、実際にできるモデルプランを紹介していきます。
チューリッヒ発・日帰りモデルプラン
例)
06:30 チューリッヒ中央駅 発
07:45 クール 着
08:30 ベルニナ急行 発(右側の座席がおすすめ)
12:00 ティラーノ着
|ランチ・街歩き(ピザ・パスタ・ジェラート)
14:30 ティラーノ 発(普通列車)
18:00 クール 着
19:30前後 チューリッヒ 着
日帰りでも、しっかり景色を楽しめます。
ティラーノはイタリアの小さな街で、パスタやジェラートが美味しいので、昼休憩にもぴったり。
私が案内した友人たちは、ティラーノでジェラートを食べてすごく喜んでいました。
イタリア文化に一気に変わる感じが面白かったみたいです。
サンモリッツ宿泊者向けの半日プラン
サンモリッツに滞在中なら、さらに余裕があります。
09:48 サンモリッツ 発
11:00頃 アルプ・グリューム通過(絶景ポイント)
12:00 ティラーノ着
|ランチ(ピザやパスタが美味しいお店が多い)
14:24 ティラーノ 発(普通列車)
16:00頃 サンモリッツ 帰着
さらに、時間がある方は、ディアボレッツァ展望台に立ち寄るのも良いと思います。
私は晴れた日に行きましたが、氷河が広がってとても迫力がありました。
ミラノからの日帰りプラン
07:20 ミラノ中央駅 発(レーティッシュ鉄道 or Trenord)
09:50 ティラーノ 着
10:06 ベルニナ急行 発
14:30頃 サンモリッツ 着(街歩きやショッピング)
15:48 サンモリッツ 発
18:00頃 ティラーノ 着
18:50 ティラーノ 発
21:20頃 ミラノ 着
「スイスは物価が高い…」という人でも、ミラノに泊まりながらベルニナ急行だけ楽しむという方法があるので、ヨーロッパ旅行者にも人気があります。
初めてでも安心!ベルニナ急行を100%楽しむための小ワザ集

ベルニナ急行は難しい乗り方はありませんが、何回か乗ってみて、「知っておくと、もっと快適だなぁ」と感じたポイントがいくつかあります。
旅行が初めての方でも、これを知っておけば安心です。
① 午前発の便は、景色がクリアに見える
アルプスの天気は変わりやすく、午後から雲が出る日が多いです。
個人的には、9:00前後までに出る列車を選ぶと外れが少ないように感じます。
② 早朝は空席が多くて静か
ハイシーズンでも、朝いちばんの便は比較的ゆったり。
撮影したい方や、ゆっくり景色を楽しみたい方に向いています。
③ ティラーノのレストランの営業時間に注意
イタリア側は、ランチが14時で閉まる店が多いです。
ティラーノでパスタやピザを食べたいなら、少し早めの便が安心です。
④ スイスとイタリアで通貨が違う
- スイス:CHF(スイスフラン)
- イタリア:EUR(ユーロ)
ティラーノはイタリアなので、「スイスフランだけしか持ってない!」という人が意外と多いです。スイスフランでも払えるところは多いですが換算レートが悪すぎることが多いです。
最近はカード払いでほぼ問題ありませんが、海外旅行の決済で損したくない人には、手数料が低いカードが便利だと思います。
私の友人が持っていた「エポスカード」は、
- 海外旅行保険が自動付帯
- 海外の決済手数料が低め
という理由で、わりと安心して使えていました。
荷物にならないし、海外で病院に行くと高額なので、
「何かあったら保険が効く」という安心感は大きいと思います。
⑤ 窓が反射する時は、普通車両の方が撮りやすい
パノラマ車両は景色がよく見えますが、写真を撮る時は、ガラスの反射が強いんですよね。普通車両の窓は開くことがあるので、写真を撮りたい人はあえて普通車両に乗る人もいます。白状すると、私もパノラマカーは一度しか乗ったことがありません。ガラス張りなのでとっても神秘的で、特に冬にはお勧めしますが、座席指定料金がとられるし、ガラスに反射してうまく写真が取れないんです…
⑥ゆられやすい人は、酔い止めがあると安心
カーブが多い区間が続くので、山道が苦手だと少しつらいかもしれません。
スイスの電車全体的に言えることで、本とかを読んでいると私も酔います。
よくある質問Q&A|ベルニナ急行の疑問をまとめて解決!
Q1:ベルニナ急行は予約しないと乗れない?
A:パノラマ車両は座席予約が必要ですが、普通車は予約なしでも乗れます。
ただ、夏と年末年始は満席になりやすいので、旅行日程が決まっているなら予約したほうが安心です。
Q2:スーツケースは車内に持ち込める?
A:持ち込めます。
ただ、荷物棚が小さめの車両もあるので、大型スーツケースなら早めの乗車が良いと思います。
私はいつも出発15分前にはホームに行くようにしています。
Q3:インターネットはつながる?Wi-Fiはある?
A:Wi-Fiは期待できません。
山岳区間ではスマホの電波自体が弱くなることもあります。
最近、友人が「Glocal eSIM」を使っていて
- SIMカードを入れ替えなくていい
- スイスもイタリアも同じ設定で使える
- 開通が早い
と言っていたので、ネットが必須の人はeSIMが安心そうでした。
Q4:支払いはカードで大丈夫?チップは必要?
A:スイス・イタリアともに基本はカードOKです。
ただ、ローカルのカフェや小さなお店は現金しか使えないこともあります。
それと、国境を越えると
- スイス:フラン
- イタリア:ユーロ
に変わります。
クレジットカードがあると両替の手間が省けてラクですが、
海外決済手数料が高いカードは地味に出費が増えがちです。
旅行が好きな知り合いが使っていたのが エポスカードで、
- 海外旅行保険が自動付帯
- 事務手数料が低め
という理由で選んでいました。
「わざわざ別で保険を契約しなくていいから助かる」と言っていて、なるほど…と納得しました。
Q5:車内で飲食はできる?
A:できます。スイスの景色を眺めながらスイスチョコレートでもいかが?
Q6:トイレはある?
A:はい、あります。
そして結構きれいです。スイスの電車はここが優秀だと思います。
Q7:帰りはどうする?同じルートで戻るしかない?
A:どちらでもOKです。
クールへ戻ってチューリッヒへ向かう人もいれば
ティラーノからミラノへ移動して、イタリア旅行を続ける人もいます。
Q8:雪で止まることはある?
A:ほとんどありません。
ベルニナ急行は「世界で最も標高の高い場所を走るアプトなし鉄道」で、
豪雪エリアを走る前提で作られています。
私も冬に何度か乗りましたが、遅れはあっても「運休」に遭遇したことはありません。
ただ、大雪・強風などの極端な天候では遅延や運休の可能性はあります。
そういう日でも、スイスの鉄道は情報が早いので、
- SBBアプリ
- 駅の電光掲示板
を確認しておくと安心です。
ネットがないと情報が見られないので、ここでも通信手段はあったほうが良いと感じます。
まとめ|ベルニナ急行は、景色そのものを楽しむ旅

ベルニナ急行は、スイスの山岳地帯を抜け、ゆっくりイタリアへ向かう不思議な列車です。
美しい湖が見えたと思えば、次には氷河が広がり、トンネルを抜けるたびに景色が変わっていきます。ただ乗っているだけの時間が、いつのまにか旅のメインイベントになる。そんな魅力があると思います。
少しだけ事前に知識があると、もっと余裕を持って楽しめます。この記事を最後まで読んでくださった皆さんはもうベルニナ急行のプロ(^^)座る位置、季節、天気の違い、予約方法。どれも小さなポイントですが、知っていると景色の見え方や過ごしやすさが変わります。
特に、晴れた日のベルニナは本当にきれいです。氷河の白さ、湖のブルー、アルプスにある小さな村の屋根の色。写真を撮るのを忘れてしまうぐらい見入ってしまう瞬間がたくさんあります。
スイスに住んで20年ほどになりますが、何度乗っても飽きることがありません。季節が変わるたび、天気が違うたび、まったく違う表情を見せてくれるからです。初めて乗る人にはもちろん、リピーターにも楽しめる列車だと感じています。
もし旅の予定に少し余裕があるなら、ベルニナ急行はぜひおすすめしたいルートです。観光地をたくさん回る旅も楽しいですが、たまには「動きながら景色を楽しむ旅」も良いものです。
あなたのスイス旅が、素敵な思い出に変わりますように。
そしていつか、車窓から同じ景色を眺めているかもしれませんね。


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